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あまくない砂糖の話@シアターイメージフォーラム

あまくない砂糖の話

砂糖の摂りすぎがさまざまな疾患をもたらし、不調の原因になっていることは、周知のことでしょう。甘いお菓子や飲料の摂りすぎは良くないことぐらい今更言われなくてもわかっている(なのに、なかなか止められないのが困るんです(^^;;))。

一体砂糖にはどんな甘いワナが潜んでいるのでしょうか…?

この映画は、砂糖の害を事例やデータをもとに解説するという教訓的なものではなく、俳優のデイモン・ガモーが、毎日スプーン40杯分(160g)の砂糖を60日間摂り続けたらどうなったのか、という人体実験を見せてくれる。
しかもその際に、ソフトドリンクやアイスクリーム、チョコレートなどのお菓子は避け、一見ヘルシーだと思われている食品(低脂肪のものなど)でメニューを構成する。運動習慣は続ける。実験以前の食事よりもカロリーは少ない。それなのに、肝機能の指標であるALTは急上昇し、体重は12日間で3.2kg増加し、糖尿病の初期症状だという診断を受ける結果に…。

この実験の一方で、ガモーは、自給自足の生活を長く続けてきたオーストラリアの先住民族アボリジニに、西洋からの食文化が伝わりスーパーマーケットが普及した1970年代以降、肥満や心臓病が急増したことを知る。

またガモーは、国民の3人に1人が肥満になっている世界一の「砂糖大国」アメリカで、スーパーの棚に並んでいるほぼすべての加工食品には砂糖が含まれていることに驚かされる。子供の頃からマウンテン・デューという炭酸飲料を飲み続け、歯がボロボロになり、しまいには全部の歯を抜き総入れ歯にする若者も登場する。

人は砂糖が含まれている食品を美味しく感じ、血糖値が上がりインスリンが分泌されると幸福感を感じるが、45分間ほどしか持続せず、血糖値が下がるとイライラし、集中力が低下し、また砂糖を強く欲するようになる。砂糖の摂取を繰り返すことにより、糖質中毒になりやすい。

この映画を観て、ほとんどの加工食品に砂糖が使われていることに今更ながら驚いた。このような状況は、オーストラリアやアメリカだけではなく日本も同様である。和食の味付けにも砂糖は欠かせない。お菓子を食べさえしなければ砂糖の摂取を抑えられるのかというと、それは難しい。

砂糖摂取の適量は1日あたり男性はスプーン9杯、女性は6杯だそうだが、知らないうちに過剰摂取を余儀なくされる環境が出来上がっている。

帰宅して、冷蔵庫の中にある調味料や加工食品のラベルを見ると、「砂糖」、「糖類」の表示のないものは本当に少ない。

今の自分にできることは、材料を選び、薄味の食事を自分で作り、加工食品をなるべく摂らないようにすること以外に方法はないような気がする。

仕事に追われると、食事を準備する時間もなくなるので、インスタントやジャンクフード漬けになりがちで、ストレスの多い生活をしていると、甘い物なしには働けないので、糖質中毒になりやすい。

忙しすぎるのは身体に毒。ワークライフバランスの維持は食生活の安定を図る意味でも重要。

実験を終え、食生活を元に戻したガモーは、次第に元の身体を取り戻していく。その姿を見てちょっと安心した。
by peko2nd | 2016-03-28 23:32 | cinema | Trackback | Comments(0)